蕎麦切り正音

3月の日曜、暖かくなってきました。
朝、小三治の「時そば」見た勢いで
なんだか久しぶりの下北沢。
ごみごみした感じは相変わらずですが
ちょっと外れると静かな通りも。


丁度開店したタイミングで「正音」です。


外の喧騒から隔絶された和モダンな設え。


余裕のあるテーブル配置の一角に
打ち場を囲むL字のカウンター席。
いいそばが喰えそうな予感に胸が高鳴ります。


メニューは適度に。


見ると卵焼きメニューが夜のメニューにしかない?
慌てて確認すると出汁巻きなら昼もOKとの返事。
ならば蕎麦前はいつもの感じで3品選ぶか。


初手は「にしんの旨煮。」¥800

温かい蕎麦に“にしん蕎麦”があるのを見て。
甘めのホロホロ手前までで煮付けた味。
古い仕事を大事にしている感が伝わる味です。


次に「出汁巻玉子焼」¥900

卵に出汁をシンプルに合わせて
綺麗に焼き固めた仕事です。
大根おろし少な目で卵の味を楽しむ感じで。


3品目は「鴨のくんせい」も気になったけど、
「野菜天ぷら」¥900

ズッキーニは珍しいな…と思ってよく見ると、
揚げ方も衣を種ごとに変えている?
藻塩であっさり軽やかに素材をいただく。


食べてる間に迷った蕎麦の方向が固まる。
連れは冷たいそばから「穴子天もり」¥1700

海老天系のメニューと迷ってたけど。
蕎麦は喉越しよく角の立った二・八かな。
穴子天もぼてっとせず軽い仕上がり。


私はとり天おろしと迷った挙句、
珍しく温かい蕎麦から「鴨汁そば」¥1300

わかめと揚げ餅が入るのってどうなんだ?
…と思ったけど、もともとコクがある甘汁に
よく絡んでいいアクセントに。
鴨肉は出汁をとったついで程度に入ってる。


シンプルな蕎麦湯です。

辛汁割ると、その控えめな“かえし”と
複雑で主張強めの出汁の後味が良く分かる。
バランス重視で好きなタイプの辛汁でした。


気づけば1番乗りだった私たち以外の客で
店内は埋まっていました。
いい意味で"下北らしくない"大人の蕎麦屋です。



東京都世田谷区北沢2-28-1 慶水ビル1F
03-6804-7706
11:30〜15:00、17:00〜22:00